Mar 6, 2018

蓋を開けた

仕事帰り、

僕はジム。あいつは飲みに。

僕は巨人、あいつは阪神

あいつは小説、僕は映画。

女性の趣味も

食事の趣味も

見事に逆だった。

スタイリングも嫌いだったし

大阪ノリを押し付けてくるのも嫌いだった。

でも、信頼感。

これが圧倒的にありました。

大事な話とかも僕らしないんです。

しなくても分かってた。

ほとんど口は聞かなかった。

圧倒的な信頼感があった。

僕は安心してワントップのフォワードに専念できました。

あれから今日で7年になります。

初めてあいつのお墓に行きました。

あいつは酒癖が悪い奴なので酒は持って行かず。

僕は線香を忘れた。

お墓に誰かが置いてくれてた。

線香に火をつけようとすると風が吹いてきて。

4回目ぐらいでやっとついた。

タバコに火をつけて置いた。

そしたらまた風が吹いて水浸し。

また新しいタバコに火をつけた。

あいつと2人でタバコを吸った。

ゆっくり吸った。

<ここ都会じゃないから暇だろ?お前老けるよ絶対。>

それくらいしか喋ってない。

正直、立ち直れたかは分からないです。

寂しがり屋のあいつに蓋を閉めてたかもわかんないです。

蓋を開けて自分と向かい合う時だなと思ったのかも分かんないです。

寂しくて寂しくて蓋をしてたのかも分かんないです。

あいつは死んだみたいです。

お墓を出ようとした時

共通の知り合いから電話。

<今、お墓なんだ。>と言った。

<呼ばれたのかな?。>って言ってた。

相変わらず寂しがりやで面倒くさい奴でした。

ダサいしね。