佐竹です
今日は死後の世界について
仏教はインド発祥なので、死後の世界観には、昔のインド人が考えた世界観があります。
それは、人は死んでから7日目ごとに審判を受けその結果によって次の生が決まるというものです。
1回の審判によって次の生が決まらない者は、2回目、3回目と審判を受け続け、
最後の審判は、7回目になります。
これが、初七日から四十九日までのことで、故人が仏になれるように願い、遺族は法要を行います。
その、死後49日間を、「中有(ちゅうう)」と言います。
この期間、死者は「三宝(さんぼう)」を常に唱えなさいと道元は言います。
「三宝」とは
「仏」「法」「僧」の3つのことです。
それぞれ説明します。
・「仏」ホトケ…ブッダ(Buddha)。悟った者のことです。
・「法」ホウ …ダルマ(dhárma)。仏の教え。真理のことです。
・「僧」ソウ …サンガ(saṃgha)。出家者の集団。僧侶のことです。
この仏法僧をまとめて「三宝」と言います。
仏教徒にとっては宝物のようなもので、これを唱え、死後の世界まで仏教を忘れずに持って行きなさい、という意味です。
また、仏教は、子供が父母を選択するので、次の父母を選択し胎内に宿りますが、中有の期間を過ぎて、次の父母の胎内に宿る時も常に「三宝」を唱えなさいと言います。
では、この道元の教えは何を意味しているんでしょうか。
ここの「三宝」を唱え続けるというのは、仏教を信じるという「志」を次の世界に持っていくことを意味します。
僕らは、何かを目指そうとするとき、「志」がないと心がすぐ折れてしまいます。
この「志」を、生の世界から死の世界に行く時(次のステップに進む時)も持ち続けなさいということです。
そしてさらに、死の世界から生の世界に行く時(次のステップに進む時)も持ち続けなさいということです。
これは、僕たちが目標に向かって行く時に、必ず次のステップに進む時が来ます。
それは、昇進だったり、独立だったり、一つの成功を得た後だったりします。
次のステップに進む時、人は「志」を忘れてしまう時があります。
初心を忘れて、夢や希望を忘れて、正しさを忘れて、世の中の都合を優先し、何かと理由をつけては、正しいと思っていることをやらず、逃げたりします。
そうなりそうになった時は、死後の49日間の話を思い出してみてください。
「志」をもう一度思い出して、強く生きることができますよ。
【今月の真美】