Aug 18, 2018

< Father & Son>

僕は あまり親父のことを知らない。

あまり喋った記憶もない。

2人でいると気まずくてしょうがなかった。

偶然かな?今年1月に話さないとダメなことがあって

<初めて本音で喋るけど。。。>と

親父と人生で1番話した。

で、7月6日に家族全員の前でお医者さんから膵臓癌の末期宣告。

で今月13日に会った。

病室入って<オレ。>って一言。

親父はもう話す事も目を開ける事もできなくなっていた。

なぜか病室に僕と親父だけの時間が。

気まずいな。って思った。

じゃあね、体を起こして立とうとするんですよ。

目も開けれず、喋れもしないのに。

4回ぐらい体を起こして立とうとするんですよ。

もう命を削って立とうと。

僕、親父が嫌いでした。

でもね、何回も何回も立とうとするんですよ。

目も開けられないのに。

親父としたら嫌いだけど

男としてシビれました。

<もういいよ。>ってオレが手を掴んだんです。

じゃあ、振りほどくんですよ。

自分で立ちたかったんでしょうね。

プライドだったんでしょうね。

泣いてたまるかと思って鼻をつまんで上を向いた。

で、病室を出て言った。

で、13日に1回大阪に帰って来たのですが

僕のカンでその日のうちに実家に戻りました。

夜中に着いて病院に行ったら僕一人だった。

モルヒネを打ってもらって寝ていました。

もう意識もないだろうと思って携帯の写真見せて

約束をひとつした。

声には出してない。

ナースが入って来て<声は聞こえてますから話しかけてあげて下さい。>

って言われた。

僕は親父の前では少年に戻ってしまう。

本当に自己中で大嫌いでした。

初めてゆっくり親父の寝顔を見ました。

僕よりも高く綺麗な鼻。

誰が見てもハンサムな甘いマスク。

でもそれよりも、ベットから立とうとした親父に痺れた。

最後の最後でチャラにしたね。

あなたにもらったちょっと高い鼻。

あなたにもらった小さい顔と運動能力。

性格は僕と正反対だけど。


その次の日に逝った。

何度もなんども諦めず

立とうとした時の顔。

男はやっぱ顔だと思いました。

でも、オレなら立ってたよ。

諦めない男。って

今いないじゃん。

だからなるんだよ。

すぐ諦めるなんて

スゲー、ダセーしカッコ悪い。

あっ、それとオレもうすぐ誕生日なんだけど親父。