佐竹です
この前、アニッシュ・カプーアの展示会に行ってきました
アニッシュ・カプーアは、1954年にインド・ムンバイで生まれ、現在はロンドンを拠点に活動する彫刻家です
彼の作品は、光を反射する物質を使ったり、逆に光を吸収する塗料を使ったりして、視覚を混乱させるようなのが多いです
写真で見た作品がカッコよくて見に行ったんですが、実物はいい意味で全然違いました
めっちゃビックリでした
こんな物質初めて見た、って感じっす
ジェームズタレルを見たときに近い感覚なんですけど、タレルは空間に自分が溶けていく感じで、
カプーアは、自分とその作品の間がなくなって吸い込まれていく感じです
それはタレルが、自分と空間(世界)の関係性を表現しているのに対して
カプーアは、自分と物質(相手)との関係性を表現しているようでした
これが、仏教でいう「自他不二」なんだと思います。
「自他不二」というのは、
【自利(自分)と利他(他人)とは別人でありながら、大きな命の世界においては、境目はないという考え方
ゆえに自己を愛する者は他人を愛し守る者でなければならない】
ってのが一般的な感じなんですけど、
ちょっとわかりづらいっていうか、ん?何言ってんのコイツ!?って感じですよね、分かります。
もうちょい分かりやすくすると、
例えば、自分は、好きでやりがいがある仕事をしているとします。給料は少ない方です。
テレビで汚職している官僚のニュースを見て、
「なんだあいつは、心が汚いやつだな。消えろ。俺の方が給料は低いけど心は綺麗だ!」
って思います。
これは、自分と他人を分けて考えているから出る考え方なんです。
これが「自他不二」を知っている人だと
「ヤバイヤバイ、たまたま権力がなかったから犯罪を起こさなかったけど、権力があったら同じことをしていたかもしれない。気をつけよう」
と自分にも、その官僚と同じことをする可能性があることを知れるのです。同じ人間なんだと気づいているからです。
だからその官僚にも罪を償って早くいい人間に変わってほしいと思えます。
「自他不二」とは、自分も他人もちょっと立場が違えば同じことをするかもしれないということを知ることなんだと思います。
そのためにはまず、アニッシュ。カプーアを見て、自分と他の境界線を壊すところから始めましょう。