Apr 13, 2017

一切衆生悉有仏性 by Satake

佐竹です。

仏教にはこんな言葉があります。

「一切衆生悉有仏性(いっさいしゅじょうしつうぶっしょう)」

これは一般的に

生きとし生けるものは、すべて仏陀になる可能性 (仏性) をもっており、すべて悟りうる。

と解釈されます。これは

それぞれの個々の中に仏となる可能性である芽があって、次第にその芽が仏という花を咲かせる。だから自分の中にある芽を大事に育てていかなければならない。

という考え方になります。


しかし、道元の解釈の仕方は、違います。

生きとし生けるものが、悉有(全宇宙)であり、その悉有(全宇宙)が仏性である。

とします。これは

僕たちは、自分の中に仏の本性があるのではなく、仏の本性の中でキョロキョロ迷いながら生きている。

ということになり、それに気付くことが重要なのです。

では、この教えは何を意味しているんでしょうか。

ここでいう「仏の本性」は、「幸せな世界」を意味します。

僕らは幸せになりたいと願いますが、人生は楽しいことだけではなく、落ち込むことや、辛いこと、悩むことがあります。

その時、僕らは「幸せな世界」の中に生きていることを忘れてはいけません。

すでに、幸せの中に生きているんです。

そこを理解していると、すでに幸せの中に生きているんだから、落ち込む時は落ち込めばいいし、辛い時は苦しめばいい、悩む時は悩めばいい

と、考えられます。

その時その時を素直に受け入れて生きている状態が、煩悩がない状態、つまり幸せな状態なのです。

苦しみから逃れようとするから、苦しくなるんです。

苦しい時は苦しみの中にいればいいんです。

【今月の真美】