Dec 15, 2016

クリスチャンボルタンスキー by Satake

佐竹です。

家から徒歩10分の所にある東京都庭園美術館で、クリスチャンボルタンスキーの展示会をしてたんで行ってきました。

東京都庭園美術館とは、朝香宮家は久邇宮朝彦親王の第8王子鳩彦王が1906年[明治39]に創立した宮家です。

鳩彦王がフランスに留学していたこともあり、建物には当時全盛期だったアール・デコの精華が積極的に取り入れています。

そんな歴史ある建物の中に、現代芸術家のクリスチャンボルタンスキーが作品を展示しています。

まず、「さざめく亡霊たち」っていう作品



当時交わされていたであろう会話が各部屋ごとに次々に音声で流れてきます。

当時ここに住んでいた人、足を運んだ人、様々なストーリーがイメージできます。

過去に、この場所には、色んなストーリーがあったんだろうなって、気づかせてくれます。

次に、「心臓音のアーカイブ」


色んな人からサンプリングした心臓の音がバクバクと音声で流れてきて、それに合わせてこの赤い電球が点滅する部屋です。

これも、人それぞれストーリーがあることを気づかせてくれます。

そして、最後に「アニミタス」


「アニミタス」は、過去にチリの4000mを超える高原で制作した風鈴のインスタレーションです。

「アニミタス」とは、スペイン語で「小さな魂」を表す言葉です。

これは、チリの砂漠の路傍に小さな祭壇がありました、つまり交通事故があった場所にインスピレーションを受けた作品です。

その、亡くなった小さな魂が、風鈴の音として風がある間、永遠に音を鳴らし続けます。

亡くなった人の心が、永遠に音を鳴らし続けているような感じでした。

ボルタンスキーの作品は、すごく葬式に近いですね

葬式って、亡くなった人がいて、その葬式の会場にいる全員がその瞬間に、亡くなった人のことを思う。

会場にいる人それぞれの心の中にその人が生きている。

そこが、葬式の重要な部分です。

僕らが、亡くなった人を思うとき、その亡くなった人は僕らの心の中に生きています。

その亡くなった人を知っている僕らが死んだとき、本当の意味で亡くなった人が死ぬんです。

葬式は、亡くなった人のためにあるんだけど、同時に僕ら生きている人のためにあります。

僕たちは、僕たちより前に生きていた人、「先祖や関わった人」によって作られている、僕らの物質としての肉体も、心である精神も全て「先祖や関わった人」の影響を受けています。

そこに気づくこと

そして、「先祖や関わった人」を思う僕たちが生きている間は、「先祖や関わった人」は僕たちの心の中で生き続けているんです。

それが、葬式の意味なんじゃないかなと思います。

亡くなった人を思うことは、亡くなった人がまだ生きている証拠です。

是非お墓前りに行って、自分にとって大切な、亡くなった人の生き様を思い出してみてください。

自分のこれからの生き方に影響を与えてくれる、大事な存在になると思いますよ。

【今月の真美】

【先月の真美】