Nov 18, 2017

8−1.八大人覚 by Satake

佐竹です。

今回は、「八大人覚(はちだいにんがく)」についてです。

「八大人覚」とは、「八・大人・覚」に分けられます。

「大人(だいにん)として覚知すべきこと八つ」です。

ここでいう大人とは、ただ生物的に成長しただけのオトナではなく、

真に人間としてふさわしい心を持ち、行動できる人物を言います。

前回の記事でいう菩薩のことです。

つまり、悟りを求める人が心得るべき8つ、のことです。

この「八大人覚」はブッダがこの世を去る直前、多くの弟子や動物たちの前で説かれたものです。

8つ説明すると長くなるんで今回は①〜④まで説明し、来月残りの4つを説明します。


①「小欲(しょうよく)」

人間に起きる欲望は5つあります。

財欲、色欲、飲食欲、名誉欲、睡眠欲です。

このうち、自分がまだ満足していないものを、満足させようとしないことを小欲と言います。

この「小欲」を実践すれば、自分の意見を曲げてまで他人に媚びへつらい、他人に迎合しようとはしません。

また、感官の対象に心が奪われることもなくなります。

だから、何かに憂えたり、怖れることはなく、心に余裕があり、不足することがありません。

②「知足(ちそく)」

これは、足るを知る、ということです。

普通、足るを知る、というと、与えられたもので満足する、と考えがちですが、

ものごとには、与えられるものだけではなく、自分で努力して手に入れたものもあります。

例えば、知識やスキルなどです。

その努力して得た知識やスキルなども、独り占めしないで、他者にも惜しみなく与えましょうと言うことです。

前回の記事の「布施」にも近いですね。

③「楽寂静(ぎょうじゃくじょう)」

喧騒の場所を離れて、独り静かな場所に居することです。

ただ、僕はこの「楽寂静」の本当の意味は、単に都会を離れて田舎に行けばいいという意味だとは思いません。

そうゆう物理的な解決ではなく、

たとえ都会や大勢の人の中でも、多数派の意見に流されることなく、本当の自分の考えはなんなんなのか、

常に考え、自分の心としっかり向き合うこと。さらにそれを主張できることを言います。

④「勤精進(ごんしょうじん)」

これは精進することです。

善いことに中断なく勤めることを精進と言います。

純粋で混じりけがなく、進んで退かないことです。

例えば、少ない水でも、常に流れていれば、石に穴を空けます。

善いと思ったことは、停滞せず退かない、常に前に進むことです。

これが精進すると言うことです。


以上、今回は「八大人覚」の最初の4つです。来月は残り4つを説明します。



《今月の真美》